第4講 期待値の考え方-3

さて、前回の平均連チャン数の求め方に続いて、今回は平均取得ラウンド数です。
 
では、早速参りましょう・・・と行きたいのですが、今回は注意書き付き。
 
※注意書き
今回の講座は、トータル確率の成り立ちを理解するための補助にすぎません。
要するに、トータル確率がどういった確率計算の元に成り立っているか、ということを理解することを目的としています。
従って、「平均ラウンド数の求め方」や「平均連チャン数の求め方」そのものは実際の稼働や立ち回りに直接役に立つモノではありません。
 
 
という断り付きで参ります。
 
 
★銭形の計算
 
世に「にわかヒネラー」と「銭形崩れ」を産み出した言わずと知れたCR銭形平次。
 
ST。
 
ラウンド変動タイプ。
 
と平均連チャン数や平均ラウンド数を考える上でもってこいの機種です。
 
 
ところで、「パチたま」はスペックを出すとき、10万日試行シミュレーションを使い、理論値計算をしていません。
 
なので、ここでは敢えて理論値計算に挑むことで、パチたまと同じ数字が出るかどうかやってみました。
 
 
まずは前回大海2の平均連チャンをやりましたが、ST機種の場合はどうなるか、計算してみました。
 
 
ポイント1
『STの連チャン率をどう出すか?』
 
普通の確変機なら65%確変とかになっているので、継続率は65%
 
では、確変100%の回数切りではどうなるか?という問題です。
 
実は、時短のスルーと同じ考え方です。
 
つまり、ST74回転で1/70.9を全く引けない確率を考えれば良いだけなのです。
 
「全く引けない」の反対は「1回は引く」ですので、全く引けない確率の1の補数が連チャン率になります。
 
ST中の1回転において、「当たらない」という事象は69.9/70.9を引いていることになります。
 
つまり、69.9/70.9を74回連続して引けば、STスルーとなります。
 
式は: (69.9/70.9)^74=0.349534
 
34.9534%でSTをスルーするわけです。
 
ということは、
 
100%-34.9534%=65.0466%
 
これが銭形平次の連チャン率です。
 
さて、平均連チャン数は1を非連チャン確率で割ればよかったのでしたね。(前回参照)
 
100%÷34.9534=2.860951
 
銭形平次の平均連チャン数は2.860951連と出ました。
 
さて、ここでシミュレーション数値を使う「パチたま」の銭形のページを見てみましょう。
 
びっくりぱちんこ銭形平次withチームZ LM8 スペック解析・攻略情報
 
出玉あり大当り平均連チャン
2.861連
 
とあります。
 
全くそのままですね。
 
10万日試行もすると、ほぼ完全に理論値に近づくことが分かります。
 
 
ポイント2
『ヘソと電チューのラウンド振り分けが違う場合』
 
銭形平次は
 
[ヘソ入賞時]
16R確変 20%
実質4R確変 30%
4R確変 50%
[電チュー入賞時]
16R確変 50%
4R確変 50%
 
というように、ヘソでは16%が20%、4Rが80%、電チューでは16Rと4Rが半分半分と振り分けが異なります。
 
こう言うとき、どう計算するのか、という問題です。
 
 
答えは、
 
連チャン1回目の振り分けは8:2、連チャン2回目以降は5:5と考えるのです。
 
つまり、2.860951連を
 
1連と1.860951連に分解するのです。
 
まず1連目(ヘソ保留消化での当たり)
 
1連×(4R×80%+16R×20%)=6.4R
・・・1連目平均取得ラウンド6.4R
 
次に、2連目以降(電チュー保留消化での当たり)
 
1.860951連×(4R×50%+16R×50%)=18.60951R
・・・2連目以降平均取得ラウンド18.60951R
 
6.4R+18.60951R=25.00951R
銭形初当たり平均取得ラウンド25.00951R
 
となります。
 
 
さて、平均出玉です。
 
パチたまの銭形のページ
 
びっくりぱちんこ銭形平次withチームZ LM8 スペック解析・攻略情報
 
では、初当り平均出玉は3063発となっています。
 
この初当り平均出玉の基準は16Rボーナスの出玉が1960発の時です。
 
そういう風にページでも
 
大当り時推定出玉
16R×9C×賞球15=1960発
4R×9C×賞球15=490発
 
と書いてあります。
 
つまり、
1960玉÷16R=122.5玉
となって、1ラウンドでの出玉は122.5玉を基準にしているわけです。
 
では、さっきの銭形初当たり平均取得ラウンド数、25.00951ラウンドを1ラウンド基準出玉と掛けましょう。
 
122.5×25.00951=3063.665玉
 
となりました。
 
パチたまが使うシミュレーション数値と理論値の誤差
 
0.665玉
 
理論値の正しさと、シミュレーションの試行回数が大きくなったときの数字がほぼ全く同じになりました。
 
大数の法則の正しさと理論値の正しさが同時に証明された形です。
 
 
さて、この誤差0.665玉
 
どうにも気持ち悪く感じる人。
 
 
床に落ちている1玉を拾って修正すればなんの問題もありません(笑)
 
 
あ、それだと0.335玉また誤差になっちゃうか!
 
 
さて、次回は前回と今回で分かったことから、いよいよトータル確率の概念に突入することにします。
 
 
では、ちょっとした理解度問題に行きましょう。
出来れば式をつけて、答えを導き出してくださいね。
 
 
コメント欄問題1
さて、この銭形平次、ラウンド平均135玉の時の初当たり平均出玉は何発ですか?
 
コメント欄問題2
ラウンド平均135玉の時、回転率が20/kだった。
理論上、198.6通常回転するたびに何玉増えますか?
 
コメント欄問題3
問題2の台の等価ボーダーを算出してください。

第4講 期待値の考え方-2

本日は先週予告したとおり、平均連チャン数の出し方です。
 
「期待値の考え方に平均連チャン数なんてものが必要なのか?」
 
期待値計算の公式は比較的簡単にお教え出来ます。
 
ただその公式の本当の意味が理解出来なければ、応用が利きません。
 
そう言った意味で、期待値の成り立ちに大きく関わる平均連チャン率をここで学んでおくことはきっと役に立つはずです。
 
では参りましょう。
 
 
分かりやすいのでいつも使いますが、例の如く大海物語SPの平均連チャン数を出していきましょう。
 
大海スペシャルMTEのスペックは
 
初当たり確率 1/349.67
15R確変57%
2R突確8%
15R通常35%
 
となっています。
 
大海SPの連チャンが終了する条件は
 
A.15R通常を引き
 
B.その後の時短100回をスルーする
 
です。
 
 
Aですが、大海SPは0.35(35%)。
 
Bはちょっと計算が要ります。
 
 
これはST確変機にも使える計算ですが、「時短100回スルー」とはつまり「100回ハズレを引き続ける確率」ということです。
 
当たりが1/349.67なのでハズレとは348.67/349.67ですね?
 
 
100回連続して348.67/349.67を引き続ける確率は…
 
(348.67/349.67)^100=0.750967(75%)
(注記「^100」は100乗という意味です)
 
です。
 
 
そして、Aの条件とBの条件が重なるとき、連チャンは終了する・・・
 
ということはAとBを掛け合わせるんです。
(条件が重なる=条件を掛け合わせる)
 
 
0.35(35%)×0.75(75%)=0.26(26%)
 
これが大海SPの連チャン終了率です。
 
 
そしてこれで1を割る。
 
なぜ終了率で1を割るか・・・最後に別項目で書いておきます。
 
 
1/0.262838=3.804619
 
平均3.8連チャンと出ました。
 
 
でもこれは出玉のない2R突確も含めた連チャン数です。
 
ボーダー計算やトータル確率を計算するとき、出玉がない当たりをカウントしてはいけません。
 
だって、玉が出ないんだから、出ない玉で回転させることは出来ないですよね?
 
 
出玉なしが8%ってことは出玉有りが92%ってことです。
 
なので、この92%、つまり0.92を上の平均連チャン数に掛けあわせます。
 
 
3.804619×0.92=3.500249
 
この数字、ざっくり言って、3.5連が大海SPの平均出玉有り連チャン数になります。
 
 
次回、平均取得ラウンドの求め方をお話しします。
 
 
 
<なぜ終了率で1を割るか>
 
ちょっと考えて貰いたいのですが、例えば80%確変の継続率はつまり4/5ですよね?
 
言い換えれば5回に4回は継続し、5回に1回は終了する。
 
確→確→確→確→通
 
当たり5回中確変が4回(4/5)、通常が1回(1/5)
 
X回継続すると言うことは、終了の出現率がX回に1回。
 
このXを求めるために、1、つまり100%を終了のパーセンテージで割るんです。
 

第4講 期待値の考え方-1

いよいよ佳境に入ってきました。
 
期待値の考え方です。
 
まず今回は期待値の考え方の元になる確率のお話しをしたいと思います。
 
 
確率とは何でしょうか?
 
『確率(かくりつ、英: probability)とは、ある現象が起こる度合い、ある事象が現れる割合のことをいう。偶然性を含まないひとつに定まった数値であり、発生の度合いを示す指標として使われる。(中略)確率は、理論的な事象の発生頻度を与える。たとえば、コインをトスして、手で伏せる。表と裏の確率はそれぞれ50%である。その後、手を除けて観測すると、表か裏かは判明する。』
Wikipediaより
 
 
表と裏があるコインだと表が出る確率は1/2
 
立方体、つまり正六面体であるサイコロで1の目が出る確率は1/6
 
なんとなく分かっている事柄ですよね?
 
でもパチンコとなると大きく勘違いしている人が多いのがこの確率の解釈です。
 
 
曰く
 
「なんで1/199が1000回転回しても当たらねーんだ!」
 
「1/300なんだから300回転回せば当たらんとおかしいやろ」
 
「これだけハマったら次は軽いだろう」
 
「通常、通常、通常、と来ればいい加減確変を引くはず!」
 
「なんでワンセットばっかりやねん!」
 
 
言い出したらキリがありませんが、こういった愚痴はパチンコファンの専売特許となっている感すらあります。
 
 
コイントス、サイコロ、パチンコ・・・
 
これらは全て独立試行といい、毎回その確率でしか目が出ないのです。
 
 
というわけで、パチたま通信で挙げた問題の答えです。
 
 
Q.コイントスなら、表→表→表と来たら、次は裏が出やすい?
 
A.もちろん、そんなことはありません。
 
次も表と裏は1/2ずつの確率でしかありません。
 
 
Q.サイコロで1の出る確率は1/6。だから、6回振れば1は必ず出る?
 
A.もちろんそんなことありえませんよね?
 
1回目:5
2回目:2
3回目:2
4回目:4
5回目:6
6回目:?
 
・・・と来たら、6回に1度、1の目が必ず来るなら、振る前から次の6回目は1の目って分かるって話になってしまいます。
 
もし振る前から1の目が出るのが分かっていたら・・・
 
これはもうイカサマしかありません。
あるいは宇宙の原理に反することです。
 
 
ということは、1/2、1/6、1/300などという数字に意味はないのでしょうか?
 
いいえ、もちろんそんなことはありません。
 
 
例えば、1/2のコイントス
 
何度も何度もやれば、集計したときにだいたい2回に1回は表が出ているのです。
あくまでも集計結果として、2回に1回ほどは表が出るようになっているのです。
 
 
サイコロだって同じです。
 
何度も何度もやって、集計してみると、あら不思議。
なんとなく偏りながらもだいたい6回に1回程度は1の目が出ているのです。
 
 
1/300のパチンコはどうでしょう。
 
これも同じです。
 
ただ、ここで注意して頂きたいことがあります。
 
1/2のコイントスなら50回も投げれば何となく表23回、裏27回
 
100回も投げれば、表51回、裏49回程度の偏りにはまとまってきます。
 
 
ところがサイコロは同じようには行きません。
 
50回程度振ってもなかなかまとまりません。
 
50÷6=8.33、というワケで、だいたい8回ちょっとは1の目が出るはずですが、15回も出たり、あるいは2回程度しかでなかったりします。
 
100回振ればちょっとはまとまりやすくなりますが、それでもコイントスのように素直ではありません。
 
 
1/2や1/6、1/300など、確率を分数で表しますが、分母の部分、つまり2や6や300の部分を確率分母といったりします。
 
この確率分母が大きくなれば大きくなるほど、ちょっとやそっとの回数ではなかなか確率通りにまとまらないのです。
 
 
そう、だから、パチンコは1日単位で見れば1/300のミドルスペックが嘘のようにパカパカ当たったり、あるいは1000ハマリの後、600ハマリなど平気でやっちゃうのです。
 
 
確率の偏りというと実は語弊があります。
 
偏って当たり前なのです。
 
むしろ偏よらずに、300回に1回ずつきっちり大当りが出るとしたら、それこそホルコン信者大喜びの「ある回転数がアツい」なんて事になります。
 
これこそ、確率が偏っていることになるわけです。
 
 
実際には大当たりの回転数は偏りつつ、試行回数を重ねるごとに、結果を集計してみると、どんどん1/300に近づいてくるというのが自然な確率の結果です。
 
 
ホルコン信者を増やそうとして、ホルコン教祖が書いています。
 
「なぜ1/300が600回転回しても、1000回転回しても当たらないのか?」
 
 
「なぜって、それは、単にあなたがツイてないだけでしょう」
 
とくろべえなら答えます。
 
そして「明日は猛爆しますよ」と慰めたいところだけど、それは言えない。
 
「明日は明日の風が吹く」のが確率です。
 
そして、いつの日か、ためしに集計を取ってみましょう。
 
ほぼ1/300に近い数字・・・つまり「約300通常回転に1回初当り」が出ていますから。
 
 
次回は平均連チャンについて考えます。
 
これが実はトータル確率やボーダー、そして期待値の考え方の入り口になります。
 
基礎からしっかり学んで、自然と無理なく「稼ぐパチンコ」に近づく。
 
そんな講座を目指して進めていきますね!

第3講 大当り時の打ち方-3

一般的な右打ち機種の大当り消化を考えます。

 

右打ち機種とはいえ、盤面右に多く釘が存在し、玉の落ち方が釘に大きく影響を受けるタイプもあります。

 

具体的に言うと、先に打った玉が後に打った玉より早くアタッカーに到達することが多々見られる機種です。

 

この手の機種では、打ち出しのタイミングがアタッカー入賞のタイミングに与える影響が非常に少なく、止め打ちや捻り打ちの効果は極端に低くなります。

 

つまり、ここで説明したい「一般的右打ち機種」とは打ち出しのタイミングとアタッカー入賞のタイミングがリンクしやすい機種の事です。

 

その点を踏まえた上で、右打ち機種の大当り消化を考えていきましょう。

 

 

ポイント1

「大当たり中のヘソ入賞はない」

 

左打ち大当り消化機種では、大当りが終わったとき、ヘソ保留が満タンになるので、通常時における大当り確定演出では保留数が出来るだけ少ない方が良い、という説明をしました。

 

この点に関して、右打ち消化機種ではその限りではありません。

 

なので、以下の点に留意してみてください。

 

・電サポ状態に突入した瞬間にヘソ保留は消化されてしまうかどうか?
・ヘソ保留と電チュー保留で大当りの振り分けが異なり、ヘソ保留消化は不利であるかどうか?

 

これらのことを考えた上で、通常時の大当り濃厚演出において、ヘソ保留を貯めるかどうか判断してください。

 

 

ポイント2

「ラウンド間インターバルは2玉以上かどうか」

 

右打ち大当り消化で、打ちっ放しの消化をした場合、ラウンド間インターバル(ラウンドとラウンドの間、アタッカーが閉じている時間のこと)に無駄な玉が何玉閉じたアタッカーを通り過ぎるか?に注目してみましょう。

 

これが1玉以下であるなら、右打ちとはいえ、打ちっ放し消化の方が有利である可能性が高いです。

 

ほとんどの機種で、約2玉半のインターバル(約1.5秒)がありますので、過入賞狙いの1発多めの打ち出しでしっかり止める方が1回のラウンド間で1.5玉、つまり15ラウンドボーナスでは20玉ほどの節約となります。

 

1回の15Rボーナスで20玉の節約というのがどれくらいの効果があるのか?が気になるところかも知れません。

 

ざっくり言って、期待時給で換算すると150円~200円程度の効果があります。

 

 

ポイント3

「過入賞狙い」

 

ポイント2でも1玉多く打ち出すように言いましたが、アタッカーワンツー(捻り打ち)で過入賞確率を大幅にアップ出来る機種もあります。

 

1玉多く打ち出す場合で平均して15Rで過入賞が2回程度、捻り打ちで5回程度の場合、15Rボーナスにつき、40~50玉の効果があります。

 

期待時給で換算すると300円円程度の効果があります。

 

ただ単に打ちっぱなしと比べて、しっかり止めて、過入賞狙いをやった場合、総じて300円~400円の時給アップに繋がることも多い技術ですので、しっかりマスターしていきましょう。

 

パチたま通信では個別機種のアタッカー攻略法を無料で配信していることもありますので、是非入会してくださいね。

 

 

プロフィール

くろべえ

脱サラからパチプロに転身。(というか、転落)
紆余曲折を経て、情報起業家に。

曲がったことが嫌い。
嘘っぱちパチンコ商材根絶を目指して、パチプロ時代に培った「当たり前のパチンコの稼ぎ方」を普及するパチ屋と詐欺商材販売業者の敵。

パチンコ情報サイト「パチたま」を運営する株式会社サンプライズエンターテイメント代表。
パチたまでは徹底的に正当攻略法の普及を推進しています。

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